150万円で広告出しませんか?と言われた話

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うちの化粧品の販売ページを見た業者から、広告出しませんか?という電話がかかってきました。

広告屋が電話で営業してくる時点で自分の無力さをアピールしてるようなものだと思うんですが、社会勉強として話を聞いてみることにしました。

最初の5分ぐらい会社の説明が続きました。

そんなのどうでもいいから広告費がいくら必要でどれだけの売上が見込めるかを早く聞きたかったんですが、我慢して聞き流しました。

声を荒らげたところで無駄だと思ったからです。

この会社に限らずどこもそうなんですよね。

今まで10社ぐらい同じように電話やメールで話が来て、打ち合わせしましたが、100%同じ流れでした。

なんでですかね?

”つかみ”が大事なのは広告に限ったことじゃないと思うんですが、100%自社の説明から入るんですよね。

いやいや、あなた営業でしょ?交渉のプロでしょ?

営業なら最初の一言を何にするか、その次はどの言葉を継ぐか、相手の反応を見ながら用意していたバリエーションから慎重に一言一句、神経張り巡らせて選ぶものじゃないの?

なんでそんなどうでもいいことを最初に持ってきちゃうの?

しかも1分2分じゃないんですよ。5分ぐらい淡々と話しちゃうんですよ。

5分って文字で書くと一瞬のように感じますが、電話で一方的に5分ってかなり長いですよ。

音楽1曲聞き終わりますからね。

悪いけど、あなたの会社がどんな会社なのかとかどうでもいいの。

大事なのは結果が出せるかどうか、それだけ。

逆に聞くけど、結果出せる圧倒的な自信があるのに会社の信用がないからっていうだけで門前払いされたらイヤじゃない?

じゃあ会社の情報いらなくない?

それともあれか、最初から断られることを覚悟していて、会社の存在だけでも記憶に残してもらおうと、イタチの最後っ屁みたいに最初に会社のことをマシンガンのようにしゃべって逃げられてもいいように保険効かせてるのか。

まあ…そりゃ売れんわ。

自分がいいと思ってないものを他人がいいと思うわけないですよね。

それ、一歩間違えたら詐欺と同じですよ?

まあそれはいいとして。

営業さんの話はようやく本題に入り、今回の広告の趣旨がわかってきました。

東京ガールズコレクション的なファッションショーにブースを出店して売るというものでした。

費用は150万円。

そこで「この値段、検討に値しますか?」と聞かれましたが、費用だけ言われても検討できないんですよね。

だって、費用が高いかどうかはいくら売り上げられるかで決まるんですから。

1000万売れるんなら150万くらい借金してでも作りますよ。

逆に1万しか売れないんなら10万円でも出したくない。

誰だってそうでしょう?

なんでそんなことが分からないんでしょうか?

すると向こうは「結果はやってみないとわからない」みたいなこと言ってて、「あ、これずっと平行線になるやつだ」と思ったので、そこで切ろうかとも思いましたが、あとワンチャン、アプローチを変えてみました。

「そのファッションショーにはどんな人が来るんですか?」

つまり、来訪者の属性を知りたいわけです。

年齢とか性別とか趣味嗜好とか経済状況とか。

100万人来たとしてもそれが100%おっさんだったら化粧品なんか売れるはずないので。

今、うちが売りたい化粧品は1ヶ月分13000円。高単価です。

ターゲットは女性ですが20代は買おうと思わないでしょう。

まだ肌に危機感を感じる年齢じゃないからそんなにお金かけようと思わないし、そもそもお金持ってなかったりします。

30代後半、年収400万円以上か月のこづかい5万円ぐらいが妥当なターゲット層だと考えます。

だから100万人来るか1000万人来るかのトータル人数は大して重要じゃないんですよ。

重要なのはそのうち買ってくれそうな人が何人いるか、なんですよ。

10年の歴史と実績があるファッションショーということをやたらに強調するから当然そのセグメントは取れてるものだと思ってました。

が、答えは「わかりません」

は?

…えーと。

ここまでの話を要約してみましょう。

「とりあえず150万円ください。あとは当たるも八卦、当たらぬも八卦」

ってこと?

いや…

それ、150万かけてパチンコで一発逆転狙いませんか?って言ってるのと同じだよ?

それ戦略でもなんでもないから。

ただの宝くじだから。

ごめんなさい、うち宝くじに150万つぎこめるほどお金持て余してないんですよ。

そりゃ確かにやってみないと最後まで結果は分からないのはその通りですよ?

でもさ、広告戦略ってさ、分からないなりに部分的にでも確信にできるだけ近づけた上で、いざ勝負!ってやるもんじゃないの?

少なくとも「当たるも八卦当たらぬも八卦」でやるものではないですよ。お金捨てるほどあるならいいけど。

ていうか10年以上やってきてなんでそんな基本的なデータも取れてないの?

どんな施策もどんな失敗も結果を検証して初めて価値ある経験になるんだよ。

それをサボって何も積み上がってない媒体に100万もかけるわけないだろ。

逆になんでいけると思った?

10年続けた伝統ってだけで100万ポーンと出してくれると思った?

そんな、お前、バブル景気じゃあるまいし。

伝統っていうけど、そのファッションショー少なくとも僕は今日初めて聞いたんですけど。

まあそれは自分が興味ないジャンルだからというのもあるからそこは自分が無教養ということにしましょう。

…ということで、前向きな糸口が全然つかめないので、もうここで終わっても良かったんですが、あとワンチャン起死回生チャンスを投げてみました。

「その出店ブースには過去どんな商品が出品されて、売上どれくらいだったか言える範囲で教えてもらえますか?」

来訪者がどんな属性かわからなくても、商品のジャンルと価格帯の傾向から今回売りたい化粧品がその場に適しているか判断できるのでは、と思ったのです。

どうだ!?

答えは「わかりません」(やっぱり)

・・・終わった。

もう、僕には彼を救うことはできません。

そこで話を続ける言葉がなくなってしまい、押し黙っていたんですが、その媒体はダメだとようやく気付いたのか(悪いのは媒体じゃなくて売り方なんですが)、別の広告媒体を提案してきました。

それは女性雑誌広告。

会社説明のときに聞いた雑誌は聞いたことある名前でしたが、今回は聞いたことがないものでした。

こちらはさすがに読者層のセグメントが取れていました。

主要な層は30代前半、年収400万、月のこづかい5万円、女性60%。

セグメントは購買層とけっこう重なってていい感じです。

30代前半の女性にしてはリッチすぎる気がしますが、そこを疑っても話が進まないのでその前提に合わせて話を進めましょう。

広告費は150万円で、最低1万PV見てもらうことが保証されているようです。

「PV少な」と思いましたがとりあえず1つずつ確認していきます。

この時点で「検討に値しますか?」と言ってきたので、「いや、だから(ry」と、デジャブを繰り返すことに。

購買層何人に見てもらえるのかが大事でしょ?

幸い、今回は読者のセグメントが取れているのでこれを元にすれば大体計算できます。

できれば向こうからそれを根拠に説得してきてほしかったですが、どうもピンと来ていないようなのでこちらから組み立てます。

「1万PV見てもらえるということですが、1万PVあたりのユーザー数は何人ですか?」

「わかりません」

「(ええ…)、じゃあこちらの主観で申し訳ないですが、1人がサイトを訪れて見るページ数はたぶん3ページぐらいだと思うので、その前提とします。その場合、1万PV/3で3000人ぐらいに見てもらえるということになりますね。

さっきのセグメントからざっくり計算すると、たぶんうちの化粧品の購買層は50%ぐらいだと思われます。ということは3000/2=1500人。この1500人で150万円以上売上ないといけません。化粧品は単価1万円なので150本売れないといけませんね。1500人で150本って購入率10%ですね。売れると思いますか?」

「・・・」

「ムリですよね。購入率10%ってモンスターヒットですよ。街頭アンケートしたらほぼ100%人が知ってるぐらい有名でSNSではバズっててみんながほしいと思ってて、有名人…いまどんな人が訴求力あるのか知りませんが、田中みなみとか?マツコとか?そのあたりが連日テレビで推したとしてやっと行くかどうかのレベルじゃないですか?

うちみたいな片田舎の中小企業のまだ名前も知られていない化粧水が行くとはどうしても考えられないんですよね。」

ということがありました。

営業さん、お願いします。

売りたいならこちらにどんな利益があるのかとその根拠を持ってきてください。

会社紹介はやめてください。時間の無駄です。

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