WEBサービス制作で考える「AIの使い方」

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今日はAIアートでカードを作ってみてもらった感想を聞きました。

「意外と難しい」

「細かいところがどうしてもうまくいかない」

そして、昨日まで見ていたAIが作ったカード画像について

「指が足りないのが気になる」

「体がくっついているのが気になる」

とのこと。

予想通りです。

AIあるある:なんでもできると思っていたAIに失望する

まず、前者は初めてAIを使った人の100%(当社比)がぶつかる壁です。

ChatGPTが2023年3月にバズってAIの時代だー!ってなって、数ヶ月で一気にトーンダウンしましたよね。それはこの壁にみんながぶち当たったことの結果だと思っています。

「なんだ、AIってまだ全然ダメやん」ってなって見放したわけですね。

ダメなのはお前のスキルなんですが、AIに仕事を奪われる恐怖を否定したい人たちは責任転嫁したいのです。

でもAIに仕事を奪われる人ってそういう人なんですよね。皮肉なものです。

とは言え、一度使ってみたというだけでも素晴らしいと思います。

問題は使いもせずに分かった気になってる人たちです。

AIを使ったことがない人はChatGPTのセンセーショナルな騒ぎだけが先行し、「AIならなんでもできる」と思いがちです。

これは社員でも経営者でも同じです。少なくとも僕の場合、部下も同僚も上司もみんなそうでした。

あるとき占いコンテンツを作る話が出たときも「占いのロジック食わせて原稿作れば無限にコンテンツできるよね」とか言ってました。

「食わせる」なんて知ったふうに言ってますが、この人、具体的な食わせ方を全く知りませんからね。

会話が走る度に前提条件のトークン費用がかかることも計算できてませんからね。

まあ12星座くらいならいけるかもしれません。

生年月日に応じて何座かを定義する情報と、星座ごとの性質を伝えればエンタメレベルの占いはできそうです。

前者は500字ぐらい、後者は200字x12星座で2400字ぐらいでできそうなので前提に3000字あればOKで費用としては2円ぐらいです。

これが1回の鑑定にかかる費用。

かける人件費にもよりますが、事業化したいなら月間50万円は稼ぎたいところです。

無料占いサイトなら収益源は広告になるでしょう。

Googleアドセンスが定番です。

かなりざっくりですが、統計的にアドセンスはPVあたり0.3円稼げるので、50万円稼ぐなら150万PVはほしいです。

サイトに来る→鑑定結果という形で1回の鑑定に最低2PV必要と考えると150万PVのうち75万PVが鑑定になります。

1回の鑑定で2円かかるので75万x2で150万円の鑑定費用がかかることになりますね。

つまり50万円稼ぐために150万円使わないといけないということになります。

費用はそれだけじゃありません。

サイトを作るには人件費が必要です。

人によって所要時間は違いますが、このサイトを作るのに企画、デザイン、HTML、原稿、プログラムで100時間は必要かと思います。

これを100時間で作れる人なら月収30万円ぐらいでしょうか。

月収30万円の時給は1875円。

100時間で18万7500円必要ですね。

そして、サイトを作っただけで150万PV来てもらえるほど世の中あまくありません。

広告で認知拡大したり、SNS運用からの呼び込みも必要です。

つまり、50万円稼ぐために200万円ぐらい使うということです。

どうやって儲けるんですかね?

12星座占いはロジックが単純なのでまだいい方です。

姓名判断なんかになるともっと絶望的なことになります。

五行、三才、流派、引用配列、全ての文字の画数、五格の性質、五格の画数ごとの概要など全部前提に必要です。

どうやって儲けるんですかね?(デジャブ)

「それAIにまかせればできるよね」「AIなら1日でできるよね」

AIで仕事の効率化がはかれるかと思ったのに、上司の理解が雑すぎてハードルが上がり、と逆に仕事が大変になるという現実。あると思います。

それはさておき、AIアートがうまく使えなかった話に戻ります。

この最初の壁に当たったら次に考えてもらいたいこと、それは「あなたの理想はユーザーにとって必要なものなのか?」です。

AIアートは気まぐれです。

全く同じ命令でも毎回違うものができます。

それがAIの良さなんですが、頭に描いたものを正確に作ることに慣れてるとこれをデメリットにしか捉えられないんですね。

あなたが虹のかかった山の上を飛ぶ鳥を命令したら山の上を飛ぶ鳥はできたけど虹がかかっていない絵になったとします。

「ああ、虹が出なかった、ダメだー使えないー」

本当にそうですか?

タロットは絵の中の各要素に意味があるので、ないとダメな可能性はもちろんあります。

でも本当に必要なのか改めて確認もせずにダメだと思い込んでることがわりとよくあります。

今回の場合、各カードの解釈は元々用意されていたので、それを改めて見直してみました。

すると虹はこのカードの解釈に無関係でした。

つまり、虹がないのは問題じゃなかったのです。

なのに使えない画像だと思い込み、AIをも使えないツールだと思いそうになっていたのです。

AIあるある:自己満の完璧主義が邪魔をする

そしてもう一つ問題なのがユーザー目線を忘れてないか?ということ。

昨日まで何の違和感も持たなかったAIアートに対して「指が一本足りない」とか「体の長さがおかしい」とか言い出したのがそれを表しています。

いやいや、昨日まで同じ画像見ていて何も違和感なかったですよね?

なんなら、この絵を見て「AIに頼めばどんな画像でも作ってくれるんだ!」ぐらいの勢いでしたよね?

だからこそ使ったし、使ってみてがっかりもしたんですよね?

確かに指一本足りませんね。で、それが何か問題あるの?と。

昨日までのあなたたちは問題感じなかったんですよ。

AIを使うことでAIの性質を知ったから違和感を感じるようになったんですよ。

このサイトを使うユーザーはどっちですか?

前者ですよね。

ユーザーはAIの性質とか知りませんよ。知っててもそんなこと気にしない。

そもそもAIを使って書いたことに気付くかどうかも怪しい。

だって目的は占いでありAIアートが主役じゃないから。

なんとなく雰囲気のいい絵が出ていれば細かいところはどうでもいいんですよ。

逆に細かいところはちゃんとしてるけど全体の雰囲気がお粗末だったらコンテンツとしてダメなんですよ。

そういうユーザー心理をもう忘れてませんか?という問いかけをしました。

制作を続けているとどうしても制作者視点になるのは仕方ないです。

でも、まだ制作開始からAIアートを使ってみるという最初の1ステップしか進んでないのにさすがに早すぎますね。

その完璧主義、あなたの自己満でしかありません。

そこ満たしてもユーザーは満たされません。

あなたの満足はどうでもいいんです。

ユーザーを満足させるために頭を使ってください。

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